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December 2008

12/29/2008

x73:空の旅が特別なイベントだったあの頃(NY Timesコラム)

元TWAのキャビンアテンダント(かつてはスチュワーデスといっていた)だった筆者が、昔を回顧して心のこもった空のサービスが消えてしまったことを嘆いている。たいした内容ではないかもしれないけど、「三丁目の夕日」みたいになぜか共感してしまう…。

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12/28/2008

x72:マドフ事件は何を意味するか(NY Timesコラム)

ポール・クルーグマンの12月19日付けコラム。カリスマ的投資アドバイザーBernard Madoff(発音はメイドフ。ただしこのコラムの落ちはマドフと読んだほうがぴんと来るかも)の起こした巨額の詐欺事件には、昨今の経済の歪みがはっきりと映し出されている。なぜ誰もがその不条理を黙認してきたのか、という問いには、われわれ全員が正面から向き合う必要がある。

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12/27/2008

x71:アメリカを再起動せよ(NY Timesコラム)

筆者はトーマス・L・フリードマン。彼は疲弊したアメリカを叱咤激励するコラムを書き続けている。中国に比べてアメリカのインフラが古びてきたこと、優れた若い頭脳を金融サービスに奪われたため他の業界の勢いが失われたこと、優秀な留学生に就業ビザを与えず母国に送り返してしまうのでアメリカの競争力が失われていることなど、彼の嘆きの種はつきない。GMの現状は今のアメリカを象徴している、という指摘は結構あたっているかも。

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12/26/2008

x70:1919年のクリスマス(Wall Street Journalコラム)

クリスマスも過ぎたので関連記事はこれで打ち止めにするが、ちょっと毛色の違うクリスマスのエピソードだ。帝政ロシア軍の将校だった筆者の父親は1919年、革命軍の討伐を逃れて10数人の仲間と極寒の中をスキーでフィンランドを目指す。極限状態にあった彼らだが、森の中でささやかなクリスマスイブを祝う…。

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12/22/2008

x69:ディケンズ「クリスマスキャロル」(4/4)

最終回では、スクルージが最後の幽霊(The Ghost of Christmas Yet to Come)に自分の行く末を見せられ、恐れおののいて改心を誓う。悪夢から目覚めた彼は、その決意を次々と実行していく…。そのユーモラスな変貌ぶりは何度読んでも楽しめる。この作品が時代を超えて世界中の人々に愛される由縁だろう。

Merry Christmas, everyone!

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12/21/2008

x68:ディケンズ「クリスマスキャロル」(3/4)

第3章では、The Ghost of Christmas Presentに導かれたスクルージが助手クラチットの一家団らんの模様にじっと見入る。ディケンズの筆致は、貧しいながらも楽しいクリスマスの食卓風景を見事に活写している。(イラストはスクルージがGhost of Christmas Presentと最初に対面するシーン。)

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12/20/2008

x67:ディケンズ「クリスマスキャロル」(2/4)

第2章。The Ghost of Christmas Pastに連れられて、徒弟時代の楽しかったクリスマスを追体験するスクルージ。次第に金に目がくらんでいく過去の自分を見せられて、彼の心に変化が起き始める…。

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12/19/2008

x66:ディケンズ「クリスマスキャロル」(1/4)

すでに2つほどディケンズの小品をとりあげたが、やはり真打ちの「クリスマスキャロル」も録音してみたくなった。ディケンズ自身もたびたび朗読会を開いて自作を読み聞かせたが、中でも「クリスマスキャロル」は特に聴衆からの人気が高かったという。また、パフォーマンスに向けて著者自ら原作を要約したらしい。今回のテキストも、ディケンズ自身が要約したバージョンを使った(提供サイト:http://www.fidnet.com/~dap1955/dickens/index.html)。 4つの章をクリスマスまでに順次掲載していく。

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12/18/2008

x65:プレゼントの悩み(The Timesコラム)

原題はIt's all about giving。筆者のリチャード・モリソンはひねったユーモアたっぷりのエッセイが多く、ぼくのお気に入りのコラムニストの1人だ。彼の言い回しの妙は、スコットランド系の特徴だろうか。

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12/16/2008

x64:ディケンズ A Christmas Dinner

クリスマスにちなんだ小品をもう1つ。1835年にディケンズが書いたこのほのぼのとしたスケッチは、その8年後に出版される「クリスマスキャロル」で家族が食卓を囲むシーンをほうふつとさせる。

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12/15/2008

x63:電気自動車の給電ネットワーク

「フラット化する世界」などの著書で知られるThomas L. FriedmanがNY Timesに寄稿した12月9日付けのコラム。ビッグ3救済の是非が問われる中、アメリカの電気自動車導入の遅れに警鐘を鳴らしている。

中で紹介されているベタープレイス社というベンチャー企業は、調べてみると確かに日本でも先日発表された電気自動車の実証試験事業に参加している。日本ですらあまり話題になっていないニュースをいち早くピックアップしたのは大したものだが、横浜が「日本のデトロイト」だ、などとケアレスに言ってしまうあたり、調べはやや雑な面もあるようだ(おそらくベタープレイス社や神奈川県の宣伝文句の受け売りだろう)。結構ファンが多く影響力も大きいコラムニストだけに、言葉の勢いだけに頼るのは自重してほしいところだ。

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12/14/2008

x62:シャーロック・ホームズのクリスマス

ホームズの取り組んだ事件の中で、クリスマスにちなんだものといえば"The Blue Carbuncle" がある。盗まれた貴重な「青いルビー」がクリスマス用のガチョウのはらわたから見つかる、というのが話の発端だ。録音時間は40分少々とやや長めだが、19世紀末のロンドンのクリスマスにしばし思いを馳せてみてはどうだろうか。

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12/13/2008

x61:シンガポールの名誉毀損訴訟を米紙が批判

先日紹介したタイの話と何やら似ているが、今度はシンガポールのリー・クワン・ユー元首相と息子のリー・シェン・ロン現首相が反対勢力を抑え込むために名誉毀損訴訟を乱発している、という批判だ。

このコラムはThe Washington Postに2008年12月8日に掲載されたものだが、実は伏線があって、The Wall Street Journalが同年半ばに同じような批判を展開してシンガポールで名誉毀損で訴えられ、つい先日同紙が敗訴して罰金を支払わされている。

おそらくThe Washington Postはマスコミ仲間を援護射撃する意味でこのコラムを掲載したものと推察するが、残念なことにこれを掲載した同紙Opinionサイトの見出しでは副題として"South Korea's treatment of the opposition suggests they have something to hide"と書かれていた。シンガポールを韓国と勘違いしている、と受け取られても仕方のないミスで、このコラムの信用はがた落ちとなったに違いない(間違いは1日ほどたって訂正されたが)。とはいえ、記事の内容自体は興味深いので、読んでおいて損はない。

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12/12/2008

x60:ニューヨークを揺るがすマグロの水銀汚染

やや古い記事を一つ紹介しておこう。実は、クロマグロの漁獲量制限を、というコラムがつい先日The New York Timesに載っていたのでそちらを紹介しようと思ったのだが、内容をみるとその2週間も前のマラケッシュでのクロマグロの漁獲制限を扱ったもので、その頃話題になっていた釜山会議でのメバチマグロ漁獲量制限には一切触れていない。NYTimesももう少しタイムリーなコラムを書けよな、と思いつつマグロ関連記事を探していたら、2008年1月のコラムにちょっと傑作なのがあった。古いけどこっちのほうがよほど面白い。

当時はまだ共和・民主両党とも大統領候補者選びの真っ最中だった。折しもマグロの水銀汚染が報じられ、寿司ブームに沸くニューヨークに激震が走る。そこで主な大統領候補者数人にコメントを求めると、それぞれ自分の選挙戦スピーチをもじってとんちんかんな答えを返してくる(もちろん全部冗談)。お笑いの「ニュースペーパー」に似たノリだ。こういう軽いコラムは大いに歓迎したい。

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12/11/2008

x59:ディケンズ "The Child's Story"

ディケンズは"クリスマスキャロル"以外にもクリスマスにちなんだ短編を多く書いていて、それをSome Christmas Storiesその数冊の短編集にまとめている。クリスマスも近いので、あまり知られていない短いものを1つ取り上げてみた。家族の集まりで話して聴かせるために書かれたのだろうか、子供にも分かるような簡単な言葉しか使っていないが、人の一生を寓話的に描いて家族のつながりや別れについて考えさせる小品だ。

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12/07/2008

x58:タイの不敬罪(lese majeste)を英紙が批判

イギリスのThe Economistサイトに掲載された記事"The king and them"は、空港占拠などで混乱の続くタイ情勢について、マスコミがあまり触れたがらない「不敬罪」の存在と国王の政治介入が大きな問題だと指摘している。日本でもほとんど報道されないこの不敬罪については、われわれも知っておいたほうがよさそうだ。デモを行った反政府団体「民主市民連合」なる組織についても、どうも報道が少なすぎて正体がつかみにくいし、混乱の大きさにくらべてマスコミの分析は踏み込みが足りないなと思っていたが、もしかして不敬罪がらみの報道自主規制が背景にあるのかも?

記事URLは、http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=12724832。

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12/06/2008

x57:振り込め詐欺の米国版"Granny Scam"

アメリカでもオレオレ詐欺は少なくとも数年前からあるようだ。まだ被害額は日本ほどではないが、このところ急増しているらしく、先日NPRのTalk of the Nationでも話題に取り上げていた(http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=97466835)。この番組ではGranny ScamとかGrandparents Scamなどの表現を使っているが、手口は日本でもおなじみのものばかりだ。MSNBCが9月にウェブサイトに掲載した記事にも同様のものがあったので、取り上げてみた。

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12/03/2008

x56:女性虐待というテロ

南アジアにはびこる女性虐待、特に女性の顔に酸を投げつけるという卑劣な行為を糾弾したNY Timesコラム(原題:"Terrorism That's Personal")。記事では被害者女性の写真も掲載されていて、思わず目を覆いたくなる。原文はhttp://www.nytimes.com/2008/11/30/opinion/30kristof.html?_r=1を参照してほしい。(筆者のナレーション入りビデオ映像も見つけたのでアドレスを記しておく。http://video.nytimes.com/video/playlist/opinion/1194811622299/index.html#1194834033797)

以前Khaled Hosseiniの「A Thousand Splendid Suns」を取り上げた際にも、これに類した女性虐待のテーマに衝撃を受けたが、フィクションだったのでその時は過剰反応しないよう自分を戒めた。しかし今回の記事は取材に基づいて書かれたものなので、いやでも反応せざるを得ない。

筆者Nicholas Kristofはアジアをはじめ世界各地で豊富な取材経験を持ち、天安門事件の報道その他で2度ピュリツァー賞を受賞しているという。記事には何らかのバイアスがかかっているにせよ、基本的な事実関係が正しいとすればとても平静ではいられない。筆者もいうように、ともかくできるだけ多くの人にこの実態を知ってもらうことが先決なので、微力ながらここでも紹介する。

筆者にはぜひこの問題の取材を続けてほしい。できればパキスタンやアフガニスタンなどの男性にも取材して言い分を聞き出し、差別や虐待の構造をより客観的に描いてくれれば、さらにこうした女性の保護・救済や社会変革を求める声は高まるに違いない。

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12/02/2008

x55:ポール・クルーグマン 不況を語る

今年ノーベル経済学賞を受賞した同氏が先週NY Timesに寄稿したコラム"Lest We Forget"より。ずっと同紙のコラムニストを務めてきた人だけあって論旨は明快だ。

さて、最近はデモの掲載ばかりで方法論にはあまり触れる機会がなかったので、以前にも掲載した「オーディオブック」方式の要点を復唱しておこう。

このメソッドの基本は、「音読する」、「録音する」、「聴き返す」の3つだけ。読む素材はなんでもいい。ペーパーバックでも英字新聞でも、自分の興味のあるものを選べばいい。子供向けの絵本でもいいし、そんな幼稚なものはいやだという人は哲学書でもいいい。自分が読んで楽しい、役に立つと思う素材が、そのまま教材に早変わりするわけだ。お金もいらない、指導者も不要。いるのは自己開発の意欲だけだ。

詳しくは「x1:はじめに」を読んでみてね。

One-minute sample:
「081127LestWeForget.mp3」をダウンロード

12/01/2008

x54:"シェフと呼ばないで" (NY Timesコラム)

今の季節に合ったちょっといいコラムを見つけたので紹介しておこう。原題は"No Chefs in My Kitchen"。「シェフという言い方が最近気安く使われすぎていませんか?」という問いかけに始まってchefとcookの言葉の違いを考えさせ、本職シェフによる芸術的な料理を称えながらも、外食や出来合いの惣菜の台頭で失われつつある家庭料理のよさも改めて見直させてくれる、なんともあったかいエッセイだ。どんな人が書いてるんだろうと調べてみると、マーセラ・ハザーンさん(Marcella Hazan: Her last name is pronounced: ha - ZAHN, with the emphasis on the last syllable)と言う御年84歳ぐらいの超ベテランフードライターで、イタリア料理のテクニックを英米に紹介した人として広く尊敬を集めているらしい(Source: Wikipedia)。なるほどね。一見ありきたりのテーマでこうした心あたたまるエッセイを書いてしまうあたりは、いかにも家庭料理を極めた人という感じがする。敬礼。

One-minute excerpt:
「081129NoChefsinMyKitchen.mp3」をダウンロード


x53:イグノーベル賞(LA Times記事)

先月初めに発表されたイグノーベル賞の新聞記事。なぜ今ごろになって取り上げるかというと、NPR(米公共ラジオ)のScience Fridayというぼくの好きな番組でこの授賞式の模様を放送していたからだ。興味のある人はhttp://www.sciencefriday.com/program/archives/200811281にアクセスして聴いてみてほしい。

イグノーベル賞というのはいわば「なんちゃってノーベル賞」で、一見ふざけた研究に大まじめに取り組んでいる人に与えられる冗談半分の賞だ。ハーバード大学での授賞式の模様を聴いてみると学園祭のようなノリだが、演出に趣向を凝らしたわりにウケはいまいちのようだ。企画倒れになりつつあるのかも。受賞者は自費で授賞式に出る決まりなので出席辞退者も多いが、日本からは認知科学部門で受賞した北海道大学の中垣先生ら数名が出席なさっておった。彼らも熱演の割にウケはいまいちのようだったが…。(スピーチの発音は十分通じているが、いかんせん内容がまわりくどい。広辞苑の説明なんか省いていいからもっとすぱっと言えんのかい、と歯がゆく思う)

この放送では、Nobelのアクセントは後の音節に置かれている。実際辞書にもNobelの項では後にアクセントがあるように書かれているだが、不思議なことにNobel Prizeの項を見るとリーダーズもランダムハウスもNobelのoにアクセント記号を付けている。なんじゃ、これは? 単なる誤植か(だとするとなぜ2種類の辞書が同じ間違いをするんだろう…どっちかが丸写ししてるんじゃないの、これ?)、さもなければ、Nobel Prizeという組み合わせではoにアクセントを置いて読まれることが圧倒的に多い、ということだろうか? だが、他のラジオ番組などで注意して聞いてみると、最初の音節にアクセントを置く人も確かにいるけど、後のほうに置く人もやっぱりいる。リーダーズやランダムハウスのアクセント表記はおおむね信頼しているが、こういう矛盾が見つかるとちょっと不安になる。(同じようなことがSuezとSuez Canalでもあった。)

実はアクセントはやっかいで、たとえばlaboratoryはアメリカだと最初の音節にアクセントがくることが多いが、イギリス英語だと2つめのboのほうにアクセントが来たりする。ハラスメントだって最近でこそ米国風に「ラ」にアクセントを置くのが主流になってきたが、イギリス英語ではハにアクセントが来るのが(いまだに一部では)正統とされているらしい。こういうやつは、どっちが正しいとか間違いとかは簡単には決めにくい。また、いったん間違えて覚えてしまったアクセントの矯正にもえらく時間がかかる(他の人がその単語を発音している場面に出くわさないと間違いに気づかないからだ)。

どうでもいいことと思われるかもしれないが、こうして一語一語にこだわりをもち続けることが音読のレベルアップにつながる、とぼくは信じている。

One-minute excerpt of the LA Times article:
「081004IgNobelPrizes.mp3」をダウンロード

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